誕生日編(1)プロコフィエフ | クラシック音楽のナゼ? Vol.4

Question
プロコフィエフの顔が不機嫌そうなのは、なぜ?

Answer
それは、「ロシア革命があったから」

text:La Valse編集部

セルゲイ・プロコフィエフ
1891年4月23日生

1917年にロシア革命が起きて、200年続いた帝政ロシアが、労働者、農民、兵士たちによってひっくり返されたとき、皇帝や貴族たちに守られていた音楽家たちの多くが、身の危険を感じて外国へ逃れました。プロコフィエフは25歳で、すでに気鋭の作曲家・ピアニストとして世間の注目を浴びていたのですが、彼も革命の翌年、日本にちょっと寄ってからアメリカに亡命、やがてアメリカに愛想を尽かすと、パリへ。どこにいてもデラシネ(根無し草)の意識をぬぐえず、1933年に意を決して、ソヴィエト連邦になった祖国に戻ったのです。

プロコフィエフの若い時代は、全盛だったロマン派音楽が風前のともしび。才気煥発な彼は、モダンな傑作をたくさん発表していたのですが、祖国に戻ると作風は一変。「大衆のための分かりやすい芸術を」という社会主義リアリズムに添った作品、子どものための『ピーターと狼』とかバレエ音楽『ロメオとジュリエット』など書きましたが、それは彼が心から書きたい音楽だったのかどうか……。写真や肖像画で見るプロコフィエフは、もともとコワモテの人でしたが、いつも不機嫌そうな怖い顔をしています。20世紀のソヴィエトの音楽家たちの表情は、ラフマニノフは憂鬱そうですし、亡命はしなかったものの、“当局”に睨まれていたショスタコーヴィチは、どこか不安げです。「ロシア革命」は、多くの音楽家たちに大きな試練を与えたのです。