ハンス・ロット 交響曲第1番 ホ長調| 新時代のシンフォニー名曲選 第1回

text:林 昌英

星の数ほどの名作があり、多様な楽しみ方ができるクラシック音楽。それらの中でも、多くの日本のリスナーにとって“花形”と言えるジャンルは、やはり交響曲(シンフォニー)ではないだろうか。特に今世紀に入ってから、最新の研究が進んで情報も増え、聴きなれた名作が斬新な解釈で生まれ変わり、逆にほとんど知られていなかったレア演目の体験機会が増えるなど、楽しみ方は広がり続けている。本連載では、そういったシンフォニーの中でも、この数十年で演奏機会が増えた曲、新たに注目され始めた曲、ちょっとしたブームになった曲など、21世紀の今ならではの視点で“シンフォニーの名曲”を見直していきたい。

ハンス・ロット 交響曲第1番 ホ長調
──マーラーと同時代の夭折の天才作曲家──

いま壮年期以上の方は、20歳の頃というとどんな思い出があるだろうか。勉強、趣味、遊び、飲み会、恋愛、仕事または就職活動……有り余るほどの欲求やエネルギー、未来への希望と不安……。ハンス・ロットが20歳で書き始めた交響曲を聴くと、その頃の記憶や感情が妙に刺激されてしまうのは筆者だけだろうか。

今年(2019年)は、2月に神奈川フィル(川瀬賢太郎指揮)とN響(パーヴォ・ヤルヴィ指揮)が偶然同日の昼夜に本作を取り上げて話題になり、9月には読響(セバスティアン・ヴァイグレ指揮)が演奏するなど、ちょっとした「ロット祭り」の年となっている。

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