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バッハをめぐるジャズ(2)| クラシック・ファンのためのJazz入門 第4回
text:藤本史昭 前回取り上げたジャック・ルーシェやオイゲン・キケロのアルバムは、いってみればジャズ・バッハの幼年期的作品でした。発想は野心的だし、音楽的な質も決して低くはない。しかしそのアプローチは、バッハの原曲のメロディやリズムをジャズっぽくフェイクしたり、即興し易いようにハーモニー進行を置き換えたりと、いたってシンプルなもので、極端にいえばガーシュウィンの曲を自分の解釈で演奏するやり方とそ […] -
ジャズ作曲家・挾間美帆 ロングインタビュー Part2
interview & text:小室敬幸 photos:吉田タカユキ 新しくシンフォニックジャズを作曲するということ 国立音楽大学を卒業したあと、マンハッタン音楽院への留学を経て、2013年1月に山下洋輔プロデュースで「ジャズ作曲家」として改めてデビューしたというのは、これまで色んなところで何度となく語られてきた通り。ロングインタビュー後編では、そんな「ジャズ作曲家」挾間美帆が手がける「クラシッ […] -
バッハをめぐるジャズ(1)| クラシック・ファンのためのJazz入門 第3回
<おしらせ> La Valse【公式】Facebookはじめました「いいね!」で最新記事をチェック♪ text:藤本史昭 前の回でご紹介したブラッド・メルドーの『アフター・バッハ』もその一例ですが、クラシックの作曲家の中でも特にバッハはジャズと相性がよろしいようで、多くのミュージシャンがその楽曲をカヴァーしています。 では、なぜ相性がいいのか。 理由の1つは、バッハの音楽の多くが、踊りのために書 […] -
ブラッド・メルドーの現代性 | クラシック・ファンのためのJazz入門 第2回
text:藤本史昭 前回、ブラッド・メルドーは積極的にクラシック音楽にコミットしている、と書きましたが、そういう彼の傾向は、最初から露わになっていたわけではありません。むしろこの人は、レディオヘッドのナンバーを好んで取り上げたり、現代ロックのビートを大胆に導入したり、要するに“今”の音楽シーンを体現するピアニストとしてまず注目されたのでした。 しかしながら、そういう演奏の中にも、メルドーがクラシッ […] -
連載開始にあたって考えた、いくつかのこと
text:藤本史昭 ジャズについての文章を書く仕事をしていると、「最初はどんなアルバムを聴いたらいいですか?」と尋ねられることがしばしばありますが、実はこれ、なかなか難問なんです。 もちろんビル・エヴァンスの『ワルツ・フォー・デビー』とかオスカー・ピーターソンの『プリーズ・リクエスト』みたいな大名盤をつらつら挙げるのは簡単ですよ。でもそれが、その人にとって本当に聴きたいアルバムであるかというと、こ […]