-
又吉秀樹(テノール)& 山本耕平(テノール)インタビュー 〜東京二期会《天国と地獄》
東京二期会がこの11月に上演するのは、鵜山仁演出による新制作の《天国と地獄》。ギリシャ神話の「オルフェウスとエウリディケ」を下敷きにしたオッフェンバックの傑作オペレッタにオルフェ役で出演するのは、又吉秀樹と山本耕平という、今もっとも脂の乗っているふたりのテノールだ。実は、東京藝術大学の同級生でもあるふたりに、役にかける意気込みや、お互いへの思いなどを語ってもらった。 取材・文:室田尚子 写真:寺司 […] -
美少年と貴婦人、その甘く苦い関係 | 萌えオペラ 第4回 リヒャルト・シュトラウス《ばらの騎士》
text:室田尚子 illustration:桃雪琴梨 前回ご紹介したズボン役の代表であるモーツァルト《フィガロの結婚》のケルビーノ。彼が誕生してから100年以上を経て、オペラ史に名を残すもうひとりのズボン役が登場します。その名はロフラーノ伯爵オクタヴィアン。18世紀マリア・テレジア治世下のウィーンを舞台にしたリヒャルト・シュトラウスの《ばらの騎士》のタイトルロールです。年齢は17歳。若くして爵位 […] -
田中彩子(ソプラノ)インタビュー
interview & text :室田尚子 ウィーンに居を構え、ヨーロッパを中心に南米など世界中で活躍するコロラトゥーラ・ソプラノの田中彩子。類い稀な高音と比類なきコロラトゥーラのテクニックで、名歌手エッダ・モーザーに「人生の中でそう聴けることのない素晴らしい声」と絶賛された経験を持つ。一度でも彼女の歌声を聴いた人ならば、その日本人離れした、いや、人間離れしたとさえ言えるような「天から響いてくる […] -
すべては美少年から始まった|萌えオペラ 第3回 モーツァルト《フィガロの結婚》
text:室田尚子 illustration:桃雪琴梨 オペラの世界には、女性が男性を演じる「ズボン役」というものがあります。前回ご紹介した《ホフマン物語》のニクラウスもそのひとつですが、年若い男性や少年であることの多いズボン役は、声種としてはたいていメゾソプラノによって歌われています(役によってはソプラノやアルトのものもあります)。ズボン役の魅力を最初に世に知らしめたといえるのが、モーツァルトの […] -
だめんず vs 男装の麗人 | 萌えオペラ 第2回 オッフェンバック《ホフマン物語》
<おしらせ> La Valse【公式】Facebookはじめました「いいね!」で最新記事をチェック♪ text:室田尚子 illustration:桃雪琴梨 前回、オペラ界における最大の「だめんず」はタンホイザーであると声を大にして申し上げたわけですが、こういっちゃなんですが、テノールが演ずるところの主人公にはだめんずが非常に多い。アルフレート(《椿姫》)もそうですし、ドン・カルロ(《ドン・カル […] -
人はなぜだめんずに萌えるのか | 萌えオペラ 第1回 ワーグナー《タンホイザー》
text:室田尚子 illustration:桃雪琴梨 あなたは、二次元のキャラクターに「恋をした」ことがありますか?「恋」まではいかなくても、あるキャラクターのヴィジュアルや言動や仕草に心を動かされたり、挙げ句の果てに「尋常ならざる感情(!)」を抱いたことはありませんか? この対象に対する「尋常ならざる感情」を「萌え」と呼ぶわけですが、マンガやアニメから始まったこの「萌え」は、今や日本全国を席巻 […]